恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「・・・まあいい。そんな、子どもじみた態度を取る今のおまえに何を言っても分からないようだ。おまえたちがここにいるのは分かっていたんだが、あいにく家には誰もいなかったから玄関の前で待たせてもらっていたんだ」
「ばぁばはおしごとだよ、パパ」
「そうだったな」

実の息子には心からの笑顔を向けた主人は、続けて翔の頭をヨシヨシするように撫でた。
一応妻である私への接し方とは大違いだ。もう完全に「敵」扱いっていうか・・・。
まぁ確かに、壮介さんにとって私という存在は、今ではもう「損害」でしかないだろうから。
でも・・もし翔にも私と同じような態度を取っていたら、私はもっと早くこの人と別れていたはず。それだけは確信している。
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