恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
私は咄嗟に、翔の方へ手を伸ばしていた。
だけど、泣きじゃくりながら壮介さんに手を引っ張られるよう、ほぼ強引に歩かされている翔には届かないし、私が見えていない。
追いかけようと思った。
だけど今、ここで追いかけることは、結局私も長野の家に帰るということを意味する。
それが分かっているから、私は翔を追いかけることができなかった。
壮介さんは、わざと私をそうさせるために、翔と強引に帰る手段に出たのだ。
体中の力が抜けてしまった私は、その場に膝と両手をつき、顔をうなだれた。
アスファルトの地面に、私の涙がポタ、ポタと落ちていく。
自分のふがいなさに、情けなくて涙が止まらない―――。
だけど、泣きじゃくりながら壮介さんに手を引っ張られるよう、ほぼ強引に歩かされている翔には届かないし、私が見えていない。
追いかけようと思った。
だけど今、ここで追いかけることは、結局私も長野の家に帰るということを意味する。
それが分かっているから、私は翔を追いかけることができなかった。
壮介さんは、わざと私をそうさせるために、翔と強引に帰る手段に出たのだ。
体中の力が抜けてしまった私は、その場に膝と両手をつき、顔をうなだれた。
アスファルトの地面に、私の涙がポタ、ポタと落ちていく。
自分のふがいなさに、情けなくて涙が止まらない―――。