浮気してるくせに平然な彼






「まあでも、無事に諦めてくれたから良かったけど。………で、お前はいつまでここにいる気だよ。友達はウソかよ」





「………………ウソだよ。どうしてもウソつきたかった理由があったの。じゃなきゃ二時間近くもここで一人で泣いてるワケないよ。もう、ほっといてよ………」



 助けてくれたお礼の気持ちさえ口にしないで、挙句の果てには助けてくれた堀内くんに八つ当たりしている。



 私はどうしようもなく最低だ。



 そしてそれでもやっぱり、陸くんに助けに来てほしかったと、この期に及んで『………陸、くん』涙と一緒に欲が出る。



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