浮気してるくせに平然な彼







 空港へ着き、『気をつけて行ってきてね、サナちゃん』とサナにニコッと微笑む安達に見送られながら車を下りる。


 なかなか歩き出そうとしないサナのキャリーケースを持つ。


「待って、堀内……」

「…………なに?陸のこと?」

「うん……」


 ――”陸が良い”なんて、もう聞きたくない。無理矢理強引に話をすり替える。
 

「男なんて腐る程いるって、安達と話してみて分かったろ??」

「……………うん」


 ――もう“陸が”なんて言わせない。


「最終日の夜、計画実行すんぞ。流されんじゃねぇぞ」

 不安な表情をしているサナに、ニッと笑って見せる。


「私を最低野郎にして、失敗したら許さないから」



 あれだけ俺の事がキライだと言ってたサナが協力してくれるんだ。


 ………失敗、できるワケない。


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