ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
彼とのキスはこれが四度目だけど、これまでとは違って、唇が触れ合った途端に、熱いものが胸に込み上げてきた。
友達同士のキスは、私の中で常識外のはずなのに、どうにも止められない。
彼の首に腕を回して、もっと深くと求めてしまった。
「んっ……」
重ねた唇の隙間に甘く呻いてしまい、それがかえって私の情欲に火をつけた。
どうしよう。石川さゆりの情熱的な恋の演歌『天城越え』が頭の中に流れてくる……。
どれくらい口付けていたのか。
息が苦しくなり、閉じた瞼から涙が滲む。
頭が霞がかって、これ以上は無理だとやっと唇を離して目を開ければ、彼の満足げな笑みを見た。
足から力が抜けそうな私を支えるように腰に両腕を回して腹部を密着させ、彼は偉そうに言い放つ。
「今後は妬かせるなよ。この唇も体も、夕羽の全ては俺のものだと覚えておいて」
それはつまり、どういうこと……?
脳に酸素が供給されて思考力が戻っても、彼の言わんとしている意味をうまく理解できずに首を傾げた。
おそらくそれは、私が馬鹿だからではない。彼の言葉に、大事な要素が抜けているせいだ。
友達同士のキスは、私の中で常識外のはずなのに、どうにも止められない。
彼の首に腕を回して、もっと深くと求めてしまった。
「んっ……」
重ねた唇の隙間に甘く呻いてしまい、それがかえって私の情欲に火をつけた。
どうしよう。石川さゆりの情熱的な恋の演歌『天城越え』が頭の中に流れてくる……。
どれくらい口付けていたのか。
息が苦しくなり、閉じた瞼から涙が滲む。
頭が霞がかって、これ以上は無理だとやっと唇を離して目を開ければ、彼の満足げな笑みを見た。
足から力が抜けそうな私を支えるように腰に両腕を回して腹部を密着させ、彼は偉そうに言い放つ。
「今後は妬かせるなよ。この唇も体も、夕羽の全ては俺のものだと覚えておいて」
それはつまり、どういうこと……?
脳に酸素が供給されて思考力が戻っても、彼の言わんとしている意味をうまく理解できずに首を傾げた。
おそらくそれは、私が馬鹿だからではない。彼の言葉に、大事な要素が抜けているせいだ。