ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
長机と椅子を基本形に配置し終えるまで、ほんの三分ほどしかかからなかった。
私は長机を軽く乾拭きし、彼はプロジェクタースクリーンなど、会議室の前方にあるものをしまってくれている。
彼の方が先に作業を終え、私の方に歩み寄ると、「揉みましょうか?」と声をかけてきた。
乾拭きの手を止め、机を挟んで正面に立つ彼をまじまじと見てしまう。
揉むって、どこを?
「胸ですか?」と驚いて尋ねれば、山田さんの顔が瞬時に赤く染まり、両手を顔の前で振って慌てて否定する。
「肩ですよ! 浜野さん、今首を回していたじゃないですか。肩凝りがつらいのかと思っただけです。そりゃ大きな胸は揉んでみたい……って、違う! 今の言葉は取り消しで!」
ああ、これは失敬。
最近、よっしーが隙あればボインボインしてくるから、山田さんの言葉もつい胸のことだと勘違いしてしまった。
彼は真面目な好青年。突然なんの脈略もなく、『胸を揉みましょうか?』などと言うはずがなかった。
「いやー、勘違いしてすみませんね。そうなんですよ。肩凝りが激しくて。これも無駄に大きな胸のせいで。あ、私、色気がないことを自覚しているので、胸の話に及んでもセクハラには感じないので気にしないでください」
私は長机を軽く乾拭きし、彼はプロジェクタースクリーンなど、会議室の前方にあるものをしまってくれている。
彼の方が先に作業を終え、私の方に歩み寄ると、「揉みましょうか?」と声をかけてきた。
乾拭きの手を止め、机を挟んで正面に立つ彼をまじまじと見てしまう。
揉むって、どこを?
「胸ですか?」と驚いて尋ねれば、山田さんの顔が瞬時に赤く染まり、両手を顔の前で振って慌てて否定する。
「肩ですよ! 浜野さん、今首を回していたじゃないですか。肩凝りがつらいのかと思っただけです。そりゃ大きな胸は揉んでみたい……って、違う! 今の言葉は取り消しで!」
ああ、これは失敬。
最近、よっしーが隙あればボインボインしてくるから、山田さんの言葉もつい胸のことだと勘違いしてしまった。
彼は真面目な好青年。突然なんの脈略もなく、『胸を揉みましょうか?』などと言うはずがなかった。
「いやー、勘違いしてすみませんね。そうなんですよ。肩凝りが激しくて。これも無駄に大きな胸のせいで。あ、私、色気がないことを自覚しているので、胸の話に及んでもセクハラには感じないので気にしないでください」