ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
「津出?」と社長の顔を取り戻した彼が呼びかけたので、私は振り向く前にそれが誰かを知る。
危なかった……。
胸を揉まれている時ではなくてよかったと冷や汗を拭う心持ちでいたが、使用していない会議室にふたりきりでいること自体が不自然だ。
パンプスをカツカツと鳴らして足早に歩み寄り、私たちと一メートルほどの距離を空けて立ち止まった津出さんは、明らかな非難の眼差しを向けていた。
「やはり、おふたりはお付き合いされていたのですか」と単刀直入に切り出した彼女に、私の冷や汗は振り返す。
付き合ってはいないけど、友人だと言うのも駄目なんだよね……?
そう思い、隣に立つ彼を見たが視線は合わず、指示的なものを与えてもらえない。
どうしたらいいのかと、ハラハラしながらも黙っていたら、「そうだ。一緒に暮らしているが、知らないふりをしてくれ」と彼が真面目な声で返事をした。
それに対して私は「へ!?」と驚きの声をあげる。
恋人じゃないのに、なぜ認めるんだよ。
それともよっしーの中では、交際している認識でいたの?
前に『夕羽ちゃんのおっぱいだから好きなんだ』と言われたことはあったけど、アレが愛の告白とは思えないし、毎日ただ、私に懐いてじゃれているだけだよね?
ということは、やっぱり私たちは友達でしょう。
危なかった……。
胸を揉まれている時ではなくてよかったと冷や汗を拭う心持ちでいたが、使用していない会議室にふたりきりでいること自体が不自然だ。
パンプスをカツカツと鳴らして足早に歩み寄り、私たちと一メートルほどの距離を空けて立ち止まった津出さんは、明らかな非難の眼差しを向けていた。
「やはり、おふたりはお付き合いされていたのですか」と単刀直入に切り出した彼女に、私の冷や汗は振り返す。
付き合ってはいないけど、友人だと言うのも駄目なんだよね……?
そう思い、隣に立つ彼を見たが視線は合わず、指示的なものを与えてもらえない。
どうしたらいいのかと、ハラハラしながらも黙っていたら、「そうだ。一緒に暮らしているが、知らないふりをしてくれ」と彼が真面目な声で返事をした。
それに対して私は「へ!?」と驚きの声をあげる。
恋人じゃないのに、なぜ認めるんだよ。
それともよっしーの中では、交際している認識でいたの?
前に『夕羽ちゃんのおっぱいだから好きなんだ』と言われたことはあったけど、アレが愛の告白とは思えないし、毎日ただ、私に懐いてじゃれているだけだよね?
ということは、やっぱり私たちは友達でしょう。