ふつつかな嫁ですが、富豪社長に溺愛されています
エキゾチックで伝統を感じさせるような優美なメロディが流れる中、美しい女性ダンサーが三人、広間に入ってきた。

初めてベリーダンスを観賞する私は、まずはそのカラフルな衣装に驚く。


スパンコールやビーズで派手に飾られたブラジャー型のトップスと、腰に布を巻いただけで、背中や腹部が大胆に露出している。

緩やかなメロディは徐々にテンポが上がり、彼女たちが激しく腰を振れば、大きくスリットの入ったスカートから太ももが見えて、とてもセクシーだ。


すぐ目の前で繰り広げられる魅惑的なベリーダンスに鳥肌が立ち、私の鼻息は荒くなる。

これぞまさしく「アラビアンナイトだ!」と、つい大きな歓声をあげて興奮してしまったが、誰に注意されることもなく、よっしーは「楽しんで」と笑顔を私に向けてくれた。


そう言ってくれるなら、心置きなくとことん楽しもうと思う。

「私も踊りたい!」と言えば彼は驚いていたけれど、すぐに王子に話をつけてくれた。


そして私は使用人のような女性に連れられいったん広間を出て、廊下の角を何度か曲がった先にある応接室へと誘導される。

ここはベリーダンスの興行一座の控室として使っているようで、中にいたスタッフの中年女性が太めの体を揺らして私を歓迎してくれた。

そのおばさんは、衣装を二点出してきて、アラビア語でなにかを話しかけてくる。


たぶん、どっちを着るかと聞いているのだと思い、私は戸惑う。

このセクシーな衣装を私が……?
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