溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「石川、ちょっといいか」

「……はい」

蔵人さんに呼ばれて石川さんはふて腐れて席を立った。

「久保が入力している注文書、あれはなんだ?」

両肘をついて指を組んだ蔵人さんが、冷ややかな視線を石川さんに向けた。

「く、久保が勝手に溜めてたんですよ!
俺は知らないです」

ふれると切れそうなほど冷酷な蔵人さんの視線に、石川さんは慌てふためいている。

「へぇ、そうか」

こんなときの表情筋の死んだ無表情は死ぬほど怖い。
事実、課内の空気は完全に凍りついていた。

「午前中、久保となにを話していた?」

「な、なにも!
久保を呼び出して話なんてしてないですよ!」

蔵人さんに怯えて石川さんは自ら墓穴を掘った。
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