溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「そうか。
久保を呼び出して話をしたのか。
通りで久保から煙草の臭いがするわけだ」

「ひぃっ」

びゅぉーっ、蔵人さんの視線から吹きすさむブリザードで、石川さんの身体はあっという間に雪の中へと埋まっていく。

「もう一度聞く。
久保が入力している注文書、あれはなんだ?」

かちこちに凍っていると思われた石川さんだが、一気に噴火させたマグマで沸騰していた。

「えこひいきだろ、えこひいき!
どうしてあんな無能な奴ばっかり贔屓するんだよ!
ああそうか、久保から色気仕掛けされてあんたもまんざらじゃないからか!」

一気にまくしたててはあはあと荒い息が落ち着くと、ふん! と勢いよく鼻から息を吐いて石川さんは蔵人さんを見下した。
けれど眉すら動かさず、無表情に自分を見ている蔵人さんに、みるみる勢いは失速していく。

「俺は贔屓などしない。
ただ今後のためにも事実が知りたいだけだ」
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