溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
商品が納品されないなんてご迷惑をおかけするわけにはいかない。
そして担当営業のフォローは営業事務の仕事だ。

「くぼぅ、おまえって本当はいい奴だったんだなー」

鼻水まで垂らして泣きながら感謝して手を握る石川さんに背中がのけぞってしまうが、それだけ蔵人さんが怖かったのだろう。
私だって蔵人さんを絶対に怒らせないようにしようと、固く誓ってしまったくらいだ。


「帰るぞ」

「はい」

蔵人さんは私の仕事が終わるまで、待っていてくれた。
疲れているときに車で帰れるのは本当に天国だ。

「和奏はもっと、まわりを頼った方がいい」

これは、今日のことを注意されているんだろうか。

「困ったことがあったら俺でも他の奴でも相談しろ。
ひとりで背負い込むことはない」

「……怒ってますか」
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