溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「……なら、いいんですけどね」

曖昧に笑ってみせると尾上くんはそれ以上追求せずに、黙って運転を続けた。


会社に帰るとなんとなく、蔵人さんの顔を見られない。
避け気味になったまま蔵人さんより先に仕事を終える。
会社を出るとATMでお金を下ろして待ち合わせのコーヒーショップに急いだ。

「わかなぁ」

すでに待っていた洋の息は酒臭い。

「これ。
じゃあ私は行くから」

下ろしてきた三万円を洋の前に滑らせると、買ったコーヒーも飲まずに席を立つ。
けれど洋に手を掴まれ、止められた。

「まあゆっくり話でもしようやぁ」

にたり、いやらしく洋の目が歪む。
同棲してた頃の恐怖が蘇り私は、椅子におとなしく座り直した。
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