溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「おまえがいなくなってから、大変だったんだぞぅ」

無精ひげを生やした洋は、薄汚れたTシャツにダメージジーンズというよりも破れたジーンズ、それに履き潰したスニーカーで、まともな生活をしていないのだろうと窺わせた。

「おまえがいなくなったかと思ったら、すぐにアパート追い出されたし。
ほかの女のところに転がり込んだけど、そいつの男にボコボコにされてまた追い出されたし」

アパートは私の名義で借りていたから、蔵人さんの勧めもあって速攻で解約した。
そのとき置いてきた家具なんかの、荷物の処分は不動産屋に頼んだ。

さらに。

「誰がいたとしてもこちらとは赤の他人で不法占拠ですので、追い出してかまいません」

蔵人さんの声は酷く冷たくて怖く、不動産屋さん共々竦み上がった。

「なあ、またおまえの家にいていいだろ。
……あ?」

洋の視線が私の左手の上で止まる。
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