溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「……和奏が怒った」

こっちは胃の中が熱くなるほど怒っているというのに、蔵人さんの声は嬉しそうでよけいに腹が立ってくる。

「わかった。
休む」

「わかればいいんですよ」

おとなしく蔵人さんがベッドに戻ると、少しだけ気がすんだ。

「和奏もちゃんと、怒れるんだな……」

するりと頬を撫でると蔵人さんは目を閉じた。
さっき熱を測ったとき、四十度近かったからつらかったに違いない。

「……悪いけど会社、連絡入れといてくれ」

「はい」

思い出したかのようにそれだけ言うと、蔵人さんは再び目を閉じた。
音を立てないようにそっと部屋を出て、会社に連絡を入れる。
蔵人さんの休みと、ついでに一時間ほど遅れて出勤できるようにしてもらった。
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