溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「こっちは私の妻の和奏です」

「君嶋の妻の和奏です」

ことさら“妻”と強調した。
けれど小雪さんはなんとも思ってないのかにやにやと笑っている。

「蔵人の奥さんなんて実在したのねー。
私と別れたのがショックで、幻でも生み出したのかと思ったわ」

重ね重ね失礼な人だと思う。

……私と別れたのが、って。
やっぱりこの人は蔵人さんを捨てて結婚をやめた人だ。

そんな人を紹介されるのは不快でさらに蔵人さんを睨むが、鉄壁の無表情は崩れない。

「君嶋君、そろそろいいか」

私たちのあいだに流れる微妙な空気なんか無視して、後ろで外国人男性ふたりと話していた北条部長が声をかけてきた。

「ああ、はい。
いいだろ、小雪」
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