溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「ええーっ、もうー」

小雪さんは残念そうだが、私としてはこれ以上会話をしなくていいのは清々する。

「行くぞ」

小雪さんを引きずって蔵人さんは北条部長たちと去っていった。

それにしてもあれはなんだったんだろう。
蔵人さんの……その……別れた彼女がわざわざ、おもしろ半分に、結婚相手の顔を見に来たんだろうか。



蔵人さんの帰りは遅かった。
わかってる、接待だって。
わかってる、けど。

「ただいま」

「おかえりな、さい」

もうパジャマの私にキスする蔵人さんの身体からはほのかに、華やかに甘い別の香水の臭いがする。

――あの、小雪って人と同じ。
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