溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
いまさらながら苦手な君嶋課長とふたりっきりなのだ。

君嶋課長に叱られて喜んでいらっしゃる方々だったら願ってもないチャンスなんだろうが、私としてはお断りしたい。

けれど自分のやったミスの顛末はちゃんと見届けるべきだ。

気まずい空気を振り払うように必死で話題を探す。

「あの。
数足りてないんですが、どうするんですか」

「ああ、それについては解決済みだ」

「そう、ですか」

そういえば心当たりの先があるとか言っていたような。

会話はそこで終了し、また重苦しい沈黙が訪れる。
呼吸するのも憚られるような沈黙を経てようやくたどり着いた郊外の倉庫で、私は深呼吸するように息を吐き出した。

君嶋課長が荷物を積み込んでいる間に、受け取りにサインを済ませる。
それを何度か繰り返して予定の倉庫と会社を回り、一度ワインフェス会場に荷物を下ろした頃には深夜を過ぎていた。

「まだかかるが、君はどうするか」
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