溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
「明日からどうしようかなー」

寝室にはすでに、ここに来たときに持ってきたキャリーバッグを準備してある。
またあのネカフェ暮らしに戻るだけだ。
不安なんて……ない。

不意に浮いてきた涙を慌てて振り払う。

壁に掛かる振り子時計はすでに零時を回っているが、まだ蔵人さんは帰ってこない。

昨日と同じでまた明け方かもしれないし、もしかしたら帰ってこないという可能性も考えられる。
そうなったときは書類と指環を残していこう。


「ただいま。
また寝てなかった……のか」

それから一時間ほどして帰ってきた蔵人さんは、私を見て言葉を途切れさせた。

「おかえりなさい」

「どうしたんだ、……髪」
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