溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
逸らしたいのに視線は逸らせない。
眼鏡の奥からじっと、黒い瞳が私を見ている。

「ああ、ほんとに三木谷は言わなくていいことばかり言うな。
たまたま和奏が小雪に似ていただけで、顔なんてどうでもいい」

楽しそうに蔵人さんがくすくすと小さく笑う。
こんなのは初めてで、……もしかして酔ってるせいですか。

「それから?」

「小雪の前で蔵人さん、感情隠した無表情だったし。
まだ好きなの知られたくなくて、そうなのかなって」

「驚いたな。
そんなことまでわかるのか。
でも残念ながらハズレだ。
またあいつと関わりになるのかとうんざりしてた」

はぁっ、蔵人さんの口から疲れたとでもいうのかため息が落ちた。

「あとは?」

「蔵人さん、帰ってくるたび小雪の臭いがぷんぷんしてたし。
それに昨晩は朝まで帰ってこなかったし」
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