溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
その一方で私は、黒のタートルネックニットに、量販店のジーンズ。
同じく量販店で買ったダウンコート。
さらには髪は仕事じゃないから一つに結んだだけ。

「どうかしたのか」

「……なんでもないです」

怪訝そうに顔をのぞき込まれたって、答えられるはずがない。

地下駐車場に停めてあったのは濃紺のアウディだった。
らしいといえばらしい。

助手席に座ってシートベルトを締めると、君嶋課長は車を出した。
運転は滑らかで正確だ。
やはり、そういう性格から来るんだろうか。

気がつくと車は街中に入っていた。
適当な駐車場に停めると君嶋課長が車を降りるから、私も降りてついて歩く。

少しだけ歩いておしゃれなカフェの前に来ると、君嶋課長は足を止めた。

「ここでいいか」
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