溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
そんなに念押ししないで欲しい。
私にはそれしか選べないのだから。

「すみません」

店員を呼ぶと、君嶋課長は注文をはじめた。

「ワタリガニのトマトクリームソースパスタと、自家製パンチェッタと白菜のクリームソースのパスタ。
片方はサラダセット、片方はデザートセットで。
飲み物は食後に両方ともコーヒーを」

「かしこまりました」

店員が去っていくと君嶋課長の顔を黙ってちらちらと窺ってしまう。
私が決めたのと全然違うパスタ、しかもセットで頼むなんて。
けれど君嶋課長は気づいているはずなのに、黙って水を飲んでいるだけ。

「セットのサラダです」

サラダを黙々と口に運ぶ。
出てきたものは食べないと損だ。

「ワタリガニのトマトクリームソースのパスタです」
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