溺愛ラブ・マリッジ~冷徹上司が豹変しました~
スクエアの銀縁眼鏡の奥から、切れ長の目がじっと私を見つめていた。
けれどそこからはなんの感情も窺えない。

……本当にいいんですか。

さっきだって父親と揉めていた。
それに直前で別れた元カノに未練はないのだろうか。

黙ってじっと見上げるが、君嶋課長の黒く艶やかな黒曜石のような瞳はなにも語らない。

はぁっ、一度俯いて心の中で小さくため息をつくと、私はまた顔をあげた。

「もう時間ですか」

「ああ」

差し出された手に自分の手を乗せる。
もう、後戻りはできない。

披露宴会場であるヨーロッパ風の邸宅に併設されている、小さなチャペルに向かう。
扉の前で父に私を託すと、君嶋課長は先に中へ入っていった。

「お父さん」
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