輝く星をキミにあげる

縮まる距離

「あちー」



半袖から伸びる昴の筋肉質な腕に



少しドキッとする。




今は体育が終わった時間帯。




昴の周りには黄色い歓声をあげる女の子達が




たくさん集まってる。




「いやー、青木さすがモテ男だね。超かっこよかった」




「…うん」



渚の言葉に軽く頷く。




本当かっこよかった。




黄色い歓声をあげたくなるのもわかる。





私のイメージ崩壊にならないようにそんなことしないけど。





「あーゆかっ」




私に肩を組んできたのは





やっぱり優雅。





多分あの女の子達から逃げてきたんだろう。




なんて私は、こっちを睨みつけてる女の子達を見て思う。





「あーなんか最近歩花不足だ俺」




なんて変な冗談を言いながら私に寄りかかる




「ちょっ、重い離れて」




「ツンデレかよ」




「…どこにデレの要素があったのか教えてほしい」




私たちはいつもの変わらない会話を交わす。




やっぱり優雅は私のことなんて好きじゃない。




逆に好きだったら普通こんなことする⁉︎




私には理解不能。




なんて思ってると





「歩花」




聞き覚えのある声が目の前で聞こえる。




上を見上げると、不機嫌そうな昴がいた。




学校内で名前を呼ばれるのは初めてって言っても




おかしくないくらい珍しい。




私は目を丸くして昴を見る。




「…あ…と。。道野が呼んでたぞ」




…渚が?



今まで隣にいたはず、、とか思って隣に目を移すと



そこには誰もいなかった。




「優雅どいて。昴ありがと」




私は短文を2人に告げ、渚のところへ向かおうとすると




昴に手を掴まれる。




「…え、なに?」




すると、ぐいっと引き寄せられほっぺを掴まれる。




「嘘だよバーカ」




意地悪な顔で私にそう言った。




まって、、なにが嘘でなにが本当なのかはわからないけど




近い。


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