【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
無人のベッドが8台ほど並ぶ処置室の中。
「え? ヒロ?」
そこには、丸椅子に座り、手首に包帯を巻かれた明希ちゃんがひとりいて。
「どうして君が……」
明希ちゃんだ。明希ちゃんが私を見てる。
呼吸もままならないまま、うわ言のように声を出す。
「事故って、虎太郎さんに聞いて……」
「コタから?
事故って言っても、軽く車にぶつかって転んだ拍子に腕捻っただけ」
そう言って苦笑しながら、明希ちゃんが包帯を巻かれた左手首を持ち上げて見せる。
「大丈夫、なの?」
「見てのとおり。ピンピンです」
ああ、本当に、無事だ……。
その途端、ぷつんっと音を立てて私の胸の奥でタガが外れて──。
「ごめん、もしかして心配させちゃった?
コタ、最小限のことしか言わないか──」
「……ふっ、うう、うぅぅー……」
気づけば、大粒の涙が瞳からこぼれ落ちていた。