彩―IRODORI―
チャコもずっと心配してくれた。
そして、チャコにもいきさつを話した。

だけど、ユウジとの間のことは、やっぱり言えなかった。

チャコに後ろめたい思いはあったけど。

そのたびに、あたしはいつも斎藤くんのことをネタに、チャコをからかっていた。
チャコと斎藤くんは、まだ大きく進展はしない。
だけど、チャコの存在を知ってもらうことは出来たらしい。

「この前ねっ、初めて『松野さん』って呼んでもらえたのー!」

かわいいなぁ、チャコは。

ホント、恋する乙女って感じ。

「良かったねー!」
「うん、ありがとー! アヤが応援してくれたからだよ」
「でも、どうやって知ってもらえたの?」

チャコはフフフ、と笑った。
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