彩―IRODORI―
身を焦がす恋

ナオト

ああ、もう季節は冬だ。

コウキと別れてから、あたしはずっとヘコんでた。
ずっとユウジが心配してくれてて、ワケを話したら納得してくれた。

「しょうがないよな。いつでも愚痴ってくれよな」

なんであたしの周りのオトコって優しいんだろ。

ユウジの優しさが、なんだか辛かった。
すぐにでもユウジに縋りたかったけど、そうするわけにはいかない。

コウキは、あたしが浮気するわけないって思ってた。
思わずウソをついてしまったけど、ずっと貫かないと。
あたしを信じてくれたコウキへの、最後の愛情だ。

だから、ユウジとのことはずっと秘密。
ユウジはあたしの共犯。

ほとぼりが冷めるまで、あたしはユウジとはただの友達でいようと言った。
ユウジも、それに賛成してくれた。

つくづく、あたしは恵まれてる。
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