契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
「あたしは……その『不貞行為』によって生まれた『不義の子』です。自分ではどうしようもないけど……でも、そうなんですよね」
栞は混じり気のない澄んだ目でそう言った。
登茂子の目とは対照的だ。
すると、先刻からずーっと栞につながれている手が、ぎゅうぅっと力を込めてきた。
ふと見ると、いつもふてぶてしさを全開にしているその手の主が、まるで迷子になってしまった幼い男の子のように、心許なさげな顔をして見つめ返してくる。
笑うと垂れ気味になるアーモンドの形をした瞳が、今は心配そうに「大丈夫か?」と問うている。
……うっ、たっくん、かわいすぎる……
「大丈夫」と答える代わりに、栞もぎゅううっと握り返した。
栞にとって、なによりのパワー充電となった。