契約結婚はつたない恋の約束⁉︎
振り向いた栞の瞳は、盛り上がった涙で今にも溢れそうになっていた。
「栞……聞いていたのか?」
……まぁ、あの「至近距離」で聞こえてないわけないよな?
栞は確かに今日子がだれなのかを尋ねるタイミングを見計らっていて、あまり話の内容は聞いていなかったが、さすがに「その部分」はしっかりと耳に入っていた。
もともと、学生時代から教師が授業で教える要点を掴むのが得意な方だ。
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