獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
「見たよ。あれはひどかった。あの悪魔め、子供に手を上げたんだ。そして歯向かったアメリさんを、侮辱した罪だとか言って連れて行ったのさ」
「……どんな格好をしていた?」
「どんな格好って、いつも通り気味の悪い鎧兜を被っているだけさ。あの王太子は、四六時中鎧兜を被っているそうじゃないか」
カイルは、歯を食いしばる。きっとその偽物は、以前から度々悪事を働いてきたのだろう。
実際カイルは、何年か前に一度だけ町で暴力沙汰を起こしたことがある。それきり鎧兜を被った姿では、町に繰り出すことはほとんどなかった。
にもかかわらず町での身に覚えのない悪事話が次々耳に入るのは、初めの暴力沙汰が誇張され、根も葉もない噂を作り上げていったからだと思っていた。噂とは、得てしてそういうものだからだ。
まさか、自分の名を語った偽物がいるとは思ってもいなかった。
自分の評判など、どうでもいい。
けれどもその偽物を野放しにしていたせいで、アメリに危険が及んでしまった。そのことを、カイルは激しく後悔する。
「……どんな格好をしていた?」
「どんな格好って、いつも通り気味の悪い鎧兜を被っているだけさ。あの王太子は、四六時中鎧兜を被っているそうじゃないか」
カイルは、歯を食いしばる。きっとその偽物は、以前から度々悪事を働いてきたのだろう。
実際カイルは、何年か前に一度だけ町で暴力沙汰を起こしたことがある。それきり鎧兜を被った姿では、町に繰り出すことはほとんどなかった。
にもかかわらず町での身に覚えのない悪事話が次々耳に入るのは、初めの暴力沙汰が誇張され、根も葉もない噂を作り上げていったからだと思っていた。噂とは、得てしてそういうものだからだ。
まさか、自分の名を語った偽物がいるとは思ってもいなかった。
自分の評判など、どうでもいい。
けれどもその偽物を野放しにしていたせいで、アメリに危険が及んでしまった。そのことを、カイルは激しく後悔する。