獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
(もう、限界なのかしら……)
その夜、自分の部屋のベッドに横たわりながら、アメリは思案に暮れていた。
小窓から月明かりさえ入らない、ひどく暗い夜だった。完全なる闇の中にいれば、不安が何倍にも感じる。
あの悪魔のような王太子に、寄り添える自信など到底ない。そもそもカイルはアメリを婚約者として受け入れていないし、ひどく嫌っている。更には、今までの婚約者の中で一番気に食わないらしい。
「お母様、どうしたらいいの……」
縋るように、今は亡き母へ問いかける。もちろん返事はなく、吐き出された言葉は闇に虚しく消えただけだった。
――ギイ……
その時、突如部屋のドアが大きく開いた。微かな足音を鳴らしながら、人影がアメリのもとへと近づいて来る。驚きのあまり、アメリはベッドの中で金縛りにあったように動けなくなった。
真っ暗闇のことなので、入って来た人間の姿かたちはおろか、男か女かも判別できない。ただ、確かな人の気配を感じる。
ギシリ。ベッドの軋む音とともに人の重みを足もとに感じ、アメリは戦慄いた。けれども、恐怖のあまり悲鳴を上げることすら出来ない。
「めでたい女だ」
闇間にぽつんと響いた声に、アメリは目を見開いた。それが、カイルの声だったからだ。
その夜、自分の部屋のベッドに横たわりながら、アメリは思案に暮れていた。
小窓から月明かりさえ入らない、ひどく暗い夜だった。完全なる闇の中にいれば、不安が何倍にも感じる。
あの悪魔のような王太子に、寄り添える自信など到底ない。そもそもカイルはアメリを婚約者として受け入れていないし、ひどく嫌っている。更には、今までの婚約者の中で一番気に食わないらしい。
「お母様、どうしたらいいの……」
縋るように、今は亡き母へ問いかける。もちろん返事はなく、吐き出された言葉は闇に虚しく消えただけだった。
――ギイ……
その時、突如部屋のドアが大きく開いた。微かな足音を鳴らしながら、人影がアメリのもとへと近づいて来る。驚きのあまり、アメリはベッドの中で金縛りにあったように動けなくなった。
真っ暗闇のことなので、入って来た人間の姿かたちはおろか、男か女かも判別できない。ただ、確かな人の気配を感じる。
ギシリ。ベッドの軋む音とともに人の重みを足もとに感じ、アメリは戦慄いた。けれども、恐怖のあまり悲鳴を上げることすら出来ない。
「めでたい女だ」
闇間にぽつんと響いた声に、アメリは目を見開いた。それが、カイルの声だったからだ。