獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
アメリは、会って間もなくだというのに、すぐにこの老人のことが好きになった。
「わたしにも、お手伝いさせてください」
ショールを脱ぎ、老人の近くに寄る。
そして力仕事にガタがきている肩を撫でている老人の手から、棒を受け取り鍋の中のガラスを混ぜ始めた。
液状のガラスを混ぜるのには、コツがいる。下手に混ぜれば気泡が入り、使い物にならなくなるからだ。アメリの手際の良さに、ほう、と老人が喉を鳴らした。
「あんた、素人じゃないな。どこでガラス作りを教わった?」
「亡くなった母が、ガラス職人だったんです」
アメリは老人に優しい笑みを向けながら、右手の人差し指で光るガラス玉を掲げて見せた。落ちくぼんだ老人の瞳が、みるみる見開かれる。
「なんと……。これは、金糸雀色のガラス玉ではないか」
「ご存じなのですか?」
「ガラスを生業にしておるものなら、当然だ。染料作りは、ガラス作りよりも難儀だからな。色の出具合や組み合わせによって、ガラスの仕上がりは全く違うものになる」
うんうん、とアメリは嬉しくなって頷いた。母と、同じことを言っている。
「その中でもこの色……金糸雀色は、幻の色と言われている。この色を出すには、よほどの技量と運がいる。あんたの母親は、一流のガラス職人だったんだな」
しみじみと語る老人の声が、アメリの胸に染み入った。
「わたしにも、お手伝いさせてください」
ショールを脱ぎ、老人の近くに寄る。
そして力仕事にガタがきている肩を撫でている老人の手から、棒を受け取り鍋の中のガラスを混ぜ始めた。
液状のガラスを混ぜるのには、コツがいる。下手に混ぜれば気泡が入り、使い物にならなくなるからだ。アメリの手際の良さに、ほう、と老人が喉を鳴らした。
「あんた、素人じゃないな。どこでガラス作りを教わった?」
「亡くなった母が、ガラス職人だったんです」
アメリは老人に優しい笑みを向けながら、右手の人差し指で光るガラス玉を掲げて見せた。落ちくぼんだ老人の瞳が、みるみる見開かれる。
「なんと……。これは、金糸雀色のガラス玉ではないか」
「ご存じなのですか?」
「ガラスを生業にしておるものなら、当然だ。染料作りは、ガラス作りよりも難儀だからな。色の出具合や組み合わせによって、ガラスの仕上がりは全く違うものになる」
うんうん、とアメリは嬉しくなって頷いた。母と、同じことを言っている。
「その中でもこの色……金糸雀色は、幻の色と言われている。この色を出すには、よほどの技量と運がいる。あんたの母親は、一流のガラス職人だったんだな」
しみじみと語る老人の声が、アメリの胸に染み入った。