能ある狼は牙を隠す
*
「……いっぱい泣いちゃったね」
「うん」
「恥ずかしいね……」
「はは。うん」
観覧車から降りて、彼と二人、手を繋ぐ。
一周し終わってドアを開けた係員さんが、私たちの顔を見て物凄く驚いていた。そのあと私たちもお互いの顔をしっかり見合わせて、笑ってしまった。
鼻は真っ赤で、目もぱんぱんに腫れて、こんなに泣き喚いたのは小学生以来かもしれない。
左薬指、まだ慣れない金属の感覚が冷たくて、でもそれはきっと彼も同じだ。
私と一緒の、金色のリング。玄くんがずっとバイトを頑張っていたのは、このためだった。
「羊ちゃん」
「ん?」
「それ、学校ある日はつけなくていいけど、それ以外の日はつけて欲しいなって……」
だめ? と彼が縋るように首を傾げる。
私はその顔を見上げて、それから前を向いた。
「うん、だめ」
「えっ」
「毎日つけるよ。……流石に学校にはしていけないけど。家でつけるなら、大丈夫だよね?」
私だって、毎日玄くんを想ってるよ。多分、玄くんが想像するよりずっと、私は玄くんが好きだと思う。
「玄くん、ありがとう」
「……いっぱい泣いちゃったね」
「うん」
「恥ずかしいね……」
「はは。うん」
観覧車から降りて、彼と二人、手を繋ぐ。
一周し終わってドアを開けた係員さんが、私たちの顔を見て物凄く驚いていた。そのあと私たちもお互いの顔をしっかり見合わせて、笑ってしまった。
鼻は真っ赤で、目もぱんぱんに腫れて、こんなに泣き喚いたのは小学生以来かもしれない。
左薬指、まだ慣れない金属の感覚が冷たくて、でもそれはきっと彼も同じだ。
私と一緒の、金色のリング。玄くんがずっとバイトを頑張っていたのは、このためだった。
「羊ちゃん」
「ん?」
「それ、学校ある日はつけなくていいけど、それ以外の日はつけて欲しいなって……」
だめ? と彼が縋るように首を傾げる。
私はその顔を見上げて、それから前を向いた。
「うん、だめ」
「えっ」
「毎日つけるよ。……流石に学校にはしていけないけど。家でつけるなら、大丈夫だよね?」
私だって、毎日玄くんを想ってるよ。多分、玄くんが想像するよりずっと、私は玄くんが好きだと思う。
「玄くん、ありがとう」