クールなサイボーグ部長の素顔
まさかの事態発生?!~絡まる思いの糸~
食事に行ってから、その後も週末にデートに行ったり、仕事帰りにご飯に行ったりと、つらつらと忙しい仕事の合間を縫いつつ和臣さんとは関係を深めていた。
仕事場では相変わらず無表情なサイボーグと呼ばれる和臣さんだが、私と一緒の時は出会った時と変わらず、柔らかく優しく、甘い顔をする。
一緒に過ごす時間が増えるにつれ、慣れてきた私は二人の時は名前で呼ぶようにもなった。
そんな風に少しずつ距離が縮まってきたそんな頃。
事件と言うか、私の身体の変化に自分でやっと気が付いた。

それは、新人の配属も終わり落ち着いた五月の末。
和臣さんと色々あった時から二ヶ月が過ぎようとした頃だった。
カレンダーを見て、気付いた事態に私は内心パニックなった。

「嘘でしょう?」

思わず小さく呟く。
社会人になって忙しく過ごすようになるとたまに遅れることはあった。
しかし、どちらかと言えば順調なタイプの私にあるまじき事態。
慌てて今気づいた事態を確認すべく自身のステジュール帳を振り返ればやっぱり無い。
普段それがあれば書き込むマークが、三月以降には記されていない。

仕事も一段落していた私は、荷物を急いでまとめると慌てつつも残っていた面々に挨拶して足早に退勤した。

電車に揺られ、自宅最寄り駅で降りて向かったのは駅からほど近いドラッグストア。
そこで、手にした細長い箱を鞄にしまい込んで、また足早に歩き出して五分。
自宅マンションに着いて、部屋に入る。



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