クールなサイボーグ部長の素顔
そうして、買って来た箱を取り出し私はトイレに向かい箱の中身を使った。
箱の説明書の通り待つが、その時間よりも早くくっきりとそこに出るのはピンク色の線が二本。

「やっぱりか…」

そう呟いて、細いスティックを取り出したビニール袋の上に置いて眺める。
濃くハッキリと浮かぶ二本線。
どんだけ見つめたって消えることは無い。
予測していたとはいえ、それを目の当たりにするとなんと言うかどうしたらいいのか分からなくなる。

「とりあえず明日は病院?行くべきだよね…」

私はそこに居るであろう、小さな命を思ってお腹に手を当てる。
まだまだハッキリとしない、特に変わった様子もない。
でも、きっと居る。

「病院で、ハッキリするまでは言わない。多分体調もそこまで酷く変化があったり症状がある訳じゃないから大丈夫…」

そうして、私はベッドに入りつつ明日どこの病院へ行くか調べたりしながら気付けばそのまま眠りに落ちていた。

起きた時、びっくりしたのは見た夢が夢なのに、リアルな感じがしたから。
その夢は私と和臣さんの間に可愛らしく歩く女の子が居た。
そして、その子は可愛らしく言ったのだ

「ママとパパに会えるの楽しみにしてるね」

夢だったけど、確信した。
私がその子が居ることに気付いたからだろうって。

この夢から私の気持ちは一気に固まった。
そこにいるであろう命に溢れるほどの気持ちがうまれた。

「私もあなたに会えるのが楽しみだわ。元気に大きくなってね」

そう、手を当てつつお腹に声をかけていた。



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