クールなサイボーグ部長の素顔
電車での移動も、昨日に比べて少し気を遣いながら通勤し、今日からコーヒーをやめてお茶にした。

そうして仕事をこなしてからこっち、定時で退勤した私は自宅の最寄り駅の側にある産婦人科に足を踏み入れていた。
綺麗で清潔感のある病院。
外観は南欧風でオシャレ。
入れば待合室には落ち着いた音楽が流れ、ゆったりと座れそうな柔らかなソファーが並んでいた。

受付を済ませて、尿検査の検体も出し待合室で再び待つと、程なくして診察室に呼ばれた。

「伊月千波さんね。検査薬で陽性が出たので来院ね。病院での尿検査でも反応出てますね。それでは内心とエコーするので隣の部屋に移動してね。看護師の指示を聞いてください」

そう言われて隣の部屋に移動すると、診察用の台がある。

「伊月さん、そこで下を下着まで脱いで座って下さいね」
「はい」

言われた通りにして、座る。

「はい、じゃあ台が動くから」

そう言われるとウィーンと音ともに傾いて足が勝手に広がりお尻の方が上がり頭の方が少し下がった。

「はい、それじゃあ、まず内診しますね。大丈夫なので力抜いてね」

そう言われると指を入れられ、そして次に器具が入る。
冷たさでピクっとなる。

「はい、すこし細胞取りますね。子宮頸がん検診のための検体です」

そう説明があり大した痛みもなく終わる。

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