クールなサイボーグ部長の素顔
準備しているあいだにも、間隔は無くなってくるし、痛みが次々襲ってきて呼吸するだけで精一杯になっている。

和臣さんも立ち会い分娩の準備で離れてしまって心細い。
それでも、この痛みの中我が子は外に出ようと頑張ってるんだ。
私も頑張らなきゃと、決意も新たにした頃、医師に助産師さんに看護師さん、そして和臣さんが来た。

「千波、痛いよな?ごめんな、でも頑張ってくれ!」

励ましながら汗を拭って、手を握ってくれる和臣さんに
私もニコッとして一言返した。

「うん、頑張るから見てて!」

そうして、準備も整い、いきむ事数回でスルンっとした感覚がしたら

「んぎゃー、ふぎゃー」

「木島さん、おめでとうございます!元気な女の子ですよ!」

見せてもらったのはまだ、血で汚れながらも顔を真っ赤にして泣く我が子。

「いま、綺麗にしますからね」

そうして、少し経つと綺麗にしてもらった我が子とご対面。

「和臣さん、産まれましたね」
「うん、千波お疲れ様。ありがとう」

そう言って私のところに来た娘と私を見て、涙ぐむ和臣さん。

「ふふ、パパが嬉しいって良かったね?千和ちゃん」

そう、娘の名前は私と和臣さんから一文字ずつ取って、ちわと名付けた。

「千和、産まれてきてくれてありがとう」

私と千和を見つめて。とても嬉しそうに微笑む。

あぁ、幸せだなと思う。

お酒の勢いから始まった関係だったけど。
サイボーグと呼ばれていた彼は本当はとても優しく暖かな人だった。

きっと、これからも彼は優しく甘く私と千和を包んでくれるだろう。

彼の素顔は優しさと愛に満ちている。


Fin
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