【短編】あなたとの距離、近くて遠い
そして、片付けをしている最中、久保田さんに私は話しかけられた。
「…花野さんは高校3年生だよね?」
久保田さんに私は話しかけてくれた。
「は、はい」
業務以外に話しかけてくれた。嬉しすぎる。
でも、顔に出ないように。
「へぇー、若いね」
微笑みながら、自分の手元を動かしていた。
「あの、く、久保田さん」
私は久保田さんに声をかけた。
「はい」
久保田さんは目を丸くして、はい? と言い、私の方に向き直していた。
その姿にドキッとしつつ、久保田さんを見て声を発した。