【短編】あなたとの距離、近くて遠い

「あ、そうですか。なら良かったです。じゃあ、もう一回聞きますね。よく眠れましたか」

 久保田さんは朝で眠いはずなのに、笑顔で私に質問をしてくれた。

仕事だって、分かってる。
でも、誰かを慰めるような優しい声で私に言ってくれるのは私だけのように錯覚を受ける。

「はい。よく眠れました」

 私は笑顔で答えて、この感情を消すように久保田さんと話した。

「…そうですか。便通はどうですか」

 え? 男子が女子に聞きます? それも仕事だもんね。

「…いえ、ないです」

 そう一言言って、私は久保田さんに言った。

「分かりました。次は、血圧測定ですね」
 久保田さんは淡々と業務をこなして、私の血圧測定を終えた。
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