レヴィオルストーリー2
「あらあら、一国の王であろうお方が舌打ちなんかしてよろしいのですか?」
シルラはクスクス笑って余裕を見せつける。
苛ついたが、そこはやっぱり抑えておいた。
小さい頃からいつも感情を圧し殺していたから、そういうことは結構得意だ。
「…誰から、聞いた?」
アレンはもう一度、低い声で繰り返した。
シルラは笑みを崩さない。
「考えればわかるんじゃないですか?」
そう言ってふふ、と笑った。
(考えれば、って…。)
わかってるくせに。
マケドニスにしか言っていないから、普通は彼が言ったと考えるだろう。
でもアレンだって馬鹿じゃない。
シルラがスパイと接触した可能性があるのもわかってる。
だとしたら、スパイが内部から崩壊させようとしてるのも考えられる。
あっちはマケドニスだけだとは思っていないだろうし。
これは、シルラが裏切ってアレンと仲間の仲を壊そうとしているのか。
それとも、本当にマケドニスが言ったのか。
正直両方信じたくない。