レヴィオルストーリー2

「…無理だった?何がですか??」

サリルナ教皇はアレンの様子にまた首を傾げる。


アレンは目を伏せたまま考えを巡らせていた。



「…俺は…母さんが亡くなって。それからも色々あって、ずっと笑えなかった。泣くこともできなかった。なのに…」

「私とナティアは、笑顔だって言いたいのですか?」


サリルナ教皇の問いにアレンは無言で頷いた。

教皇はまるで親のような優しい瞳でアレンを見る。


「…それは、仕方のないことです。私もしばらくは笑うことができなかった。きっとナティアも同じでしょう。

でもそれは、誰か…信頼できる仲間によって破られます。
私にも仲間ができた。

貴方もできたのでしょう?
さっき、立ち直ったと言っていましたわね。
その証拠に、貴方は今笑うことができています。

昔はできなかったとしても、今できているのだから。

それはそれでいいのですよ。」




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