レヴィオルストーリー2

「そう言う経緯で、私は教皇になった。今この職にいるのは彼女のおかげですわ。」


にっこり笑って首を傾げる。

しかしその瞳には涙が溜まっていた。



「…………………。」

アレンは教皇を見たまま、母の過去にただ驚いていた。


(母さんの、村が壊滅?)


────何で?


何で、母さんの村が…??

何で、そんなことがあったのに、あんなに笑顔で父さんが亡くなっても耐えていられたんだ??




「…ナティアは強い子でした。私は今でも彼女を尊敬しています。」

アレンの疑問を感じ取ったのか、サリルナ教皇は笑顔でそう言った。


───サリルナ教皇も。

どうしてそうやって笑えるんだろう。



「…俺には…無理だった…。」



アレンはポツリと呟いて目を伏せた。





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