レヴィオルストーリー2
「あ、あの、何でもないよ!」
「…ほんとにぃ?」
今度はイルが怪訝そうに訊いた。
ルルアンはひたすらコクコク頷く。
「…ふーん。アレン見掛けたら教えてねッ」
まだまだ気になったが、そっちの方が優先だとイルはルルアンに言うと走り去った。
ルルアンはホッと息をつく。
「危なかったぁ…」
呟いたルルアンはまた部屋に戻って行った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
その少し前。
真っ白な部屋に、淡い黄色の家具。
同色のカーテンが、アレンが駆け込んだ勢いでふわりとはためいた。
「はぁっ…」
バタン!と扉を閉め、そのままそこに背中からもたれかかる。
ズルズルと座り込んだアレンは両手を額に宛て目を閉じた。
「…何で…っ」
さっきのクウェンナの顔を思い出した。
それと同時に嫌な記憶も。