レヴィオルストーリー2


「…あ、レイ…様…」


ハッとしたように立ちすくむ。



「し、シルラ?今…」

レイもその場に突っ立ったまま、相手を見つめた。



「………………。」






長い沈黙が訪れる。







それを破ったのはシルラだった。



「…私…、アレン様が好きなんです…。レイ様がいるのはわかってます。でも、好きなんです。」


シルラは最後の方はキッパリと、強く言った。



「…でも…、寝てる間にキスするなんて…」

レイは戸惑いながら、シルラとアレンを交互に見た。



「…寝てるときなら、いいかなって思ったんです。」

「駄目よ。アレンの気持ちはどうなるの?」


二人は口論をはじめた。



「そんなこと言って、貴女はアレン様に酷いこと言ったそうじゃないですか!」

「だから謝りに来たのよ!」

「じゃあどうしてもっと早く来なかったのです!」

「それは…お父さんのお葬式もあったし、忙しかったし…、ちょっと…怖くて…」


口論中なのも忘れて、レイは涙ぐんでしまった。



そこに、また新しい声がする。




「…ん…」





レイとシルラの二人は、一斉にベッドに目を向けた。




< 56 / 861 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop