レヴィオルストーリー2
アレンのその質問にギルクは瞬きを数回余分にした。
それから「あー」とか唸りながら質問に答える。
「いや。あれは本当みたいだぜ」
「…そっか」
アレンはギルクの答えに安心したような、でも何か変な妙な気持ちに包まれた。
自分でもいまいち嬉しいのかわからない。
実感が湧かないのだ。
でも。
一度フェニスとも話さなければならない。
ギルクは彼が魔法にかけられていたと言った。
ダルヌク国には魔力持ちの人間はいないのに。
事前の調べでモスウェルは違う国の出身だと突き止めたから、そこは別に気になるところじゃない。
モスウェルが魔法をかけた可能性もあるが、フェニスの魔力を見たところあいつ程度に負ける力ではないのだ。
だとしたら。
「………クウェン兄」
「あ?」
本当に聞こえない程度に微かに呟かれた言葉に、聞こえなかったのかギルクが反応した。
アレンは何でもない、と返すと足を速める。
やることがいっぱいある。
休んでいる暇なんてない。
アレンの様子に不思議そうに首を傾げながら、ギルクはその背中を見つめていた。