レヴィオルストーリー2

「……ごめんなさい」


睨むアレンにビクビクしながら、ルルアンはまた謝る。

アレンはふぅ、と息を一つ吐くと横に来たルルアンの頭を撫でた。



「……お前のせいで危ない河渡るとこだった」


苦笑いしながら言う姿に安心したのか、ルルアンは瞬く間に笑顔を見せまたアレンに抱き着く。

めずらしくそれを拒みもせず受け入れると、アレンは水色の髪を撫でながら目を伏せた。


エルフの子供に小さく声をかけてやる。



「……もう大丈夫だから」


「うん…」


「頑張ったなルルアン」


「……うん…!」



静かに泣き出したルルアンは更にアレンにしがみついた。


アレンは黙って頭を撫でてやるだけ。








ふと、静かなその場に違う気配が入った。



それを感じたアレンはルルアンを引っ付けたまま顔を上げる。




「…………あ」




そして、小さく声を出した。




そこにいたのはルルアンと同じ水色の髪を腰まで伸ばした女の人。


隣には同じく長い水色の髪を背中で一つに束ねた男性がいる。





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