レヴィオルストーリー2

そこにいたのは、女性と精霊だった。






風に靡く長く薄い色の金髪、

不思議な異色のオッドアイ、

透き通るように白い肌。



そしてその傍らにいるのは、虹色の髪と瞳と羽根を持つ、アレンが幼い時に一度だけ見た精霊。






「虹の精霊…!?」


レイが信じられない、といった様な声を出した。



虹の精霊は精霊のトップに君臨する至高の存在。


そんな物凄い地位を誇る妖精の姿を持つ精霊が、今自分の目に映っているのだ。



そして不意に、その精霊が小さな口を開いた。





「……アレン君、久しぶり」



その華麗で強い響きのある声色に、アレンは確信する。




───あの時の、精霊だ。






「……虹の…精霊。この結界はお前の?」



アレンは至高の存在に遠慮なく質問した。


精霊はにこりと笑うと「そうよ」と頷く。




小さな彼女がそうしてから、急にその横にいた女性が動いた。




馬車のところでクナルが、外に出た教皇とニーナと一緒に彼女を見つめている。






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