mariage~酒と肴、それから恋~《6》
これから仕事だっていうのに来てくれたんだ。嬉しい。


久しぶり。相合い傘で寄り添って歩くなんて。


そうだよね、忙しかったもんね。。。

「…(小声)こんなことで、チャラになんて出来ないんだからね」


「ん?何か言った?」


「ううん。何でもない」


言えるわけない。

言えたら苦労してない。

「凱くん、髪が湿気でクルクル(笑)」

話をそらす。


凱くんの髪は猫っ毛だから湿気で天然パーマ状態。


「そーなんだよね、雨、超困るー」

髪をつまんで困った顔。


それを見てクスクス笑う。

凱くんたら、女だらけの職場にいるからか、口調とか仕草がちょっと女子っぽいところがある。

見た目からして、色白で細身だしね。

子どものときは女の子に間違われてたとか。

可愛い動物が好きで、甘いもの好きだし。恋愛映画見て泣いちゃうくらいだし。


とはいえ、男は男。しかも独身。

特に年末年始、急な深夜勤は優先的にシフトに入れられて、何度予定が潰れたことか。

凱くん本人は、お互い様だから、と二つ返事で引き受ける。

そういうところ、良いとこだと思うけど。
< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop