【長完】Keeper.l
歩き出して数分後。

『倉庫?』

あぁ嫌だな。見ただけでこの場所が何かを分かってしまう。その世界にいたから。あの、優しい世界に。

え?ここで?何すんの?しないんじゃなかったの?

「入るぞ。」

『え? はっ?! 待っ !! 』

心の準備的なものがまだ出来ていないのだけれど……、なんて思う暇もなく

「「「「「こんにちは!!! 」」」」」

大きな声が空間を包む。

「あぁ。」

身長差がある為、私の上から声が降ってくる。

_______懐かしいなぁ。一瞬、戻って来たのかと思ってしまった。

現実では3ヶ月前にこの世界から抜けたのにね?

下っ端くん達が私を訝しく思っているのを気にする暇が無かった。

男に連れられて階段を登り部屋の前に居るのにも気が付かなかった。




______だってさ?懐かしいということは……さ?





「入れ。」男がドアを開け、私を押し込む。





______ここは、





『暴走…族?』

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