【長完】Keeper.l
少し顔を赤くしていたお姫様も、直ぐに気を取り直す。

「みんなは!?」

「今、要達が来てくれたから俺達は抜けてきた。雪は?」

「あっ、雪くんは女の子縛ってる。」

「そうか。」

……意思の疎通、よくそれで出来るな。伝わるからいいけどさ、字面的になんか、そういうご趣味の方みたいじゃないか。

『主犯は何人だったの?』

「え、っとね、

2年の先輩と3年の先輩と、私たちと同じクラスの女の子……佐藤さんだったかな?その3人だったよ。」

『ふぅん。』

意外と少ないな。もっと反感を持っている女子がいると思っていたが。反感を持っている女子を代表したのがその3人なのだろうか。

捕らえたのなら一旦落ち着いたりするのだろうか?

入口付近で座り込んで頭をさすっている十勝の肩を掴み乗り越えて教室内を覗けば、永富が先程お姫様が言った通り女子を縛っていた。

「あっ、りかちん〜!なんかぁ〜、縛ってると少し変な気分になってくるぅ〜。」

へらぁと笑って変なことを言っているが手元には容赦というような文字は存在していないのだろうなと察することが出来る程にきつくきつく締め上げる。

『あれ?2人?』

さっきお姫様は主犯の女の子は3人だと言っていたはずだ。各学年3人ずつ。……1年が居ない?

何故、と思い眉をひそめたところで永富が口を開く。

< 173 / 314 >

この作品をシェア

pagetop