【長完】Keeper.l
私のお父さんとお母さんはそれぞれ仕事が一番大事で世間体を気にするようにとりあえず結婚しとくか、みたいなノリで結婚をしたらしい。

お父さんもお母さんも仕事が一番だからあくまでも利害の一致のようなもの。

だから、家にお金はあった。何不自由無く過ごせた。ただ、家庭に愛情はなかった。

小さい頃の思い出でどこかへ連れて行って貰ったことはあっただろうか、なんて考えるけどすぐには思い出せないほどに。

誕生日なんて当日に両親がいる訳もなくて、ただ机に

「これで何か欲しいもの買ってね」

なんて言葉が添えてあるだけだった。


ううん、そう考えると私は愛されていたんだ。毎年欠かすことなく机に乗っているお金。それでも私は、お金よりも触れたかった。

声をかけると、いつも迷惑そうな顔をしていたから。


それでも、寂しくはなかった。


「ちほー、学校いこー」

「早くしないと遅刻するぞ!!」


だって、幼なじみの2人がいてくれたから。
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